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ギターのボリュームペダルは何に使う? 音量・歪み・ふわっとした音の作り方

ボリュームペダルで音量・音の立ち上がり・歪みを変える3つの使い方を解説。奏者の例をもとに、足の操作、接続位置、余韻の扱い、H/Lや最小音量の選び方を紹介します。

この記事の内容

ボリュームペダルが気になるけれど、足元で音量を変えて何に使うのか、いまひとつ想像できない。ギターにもアンプにもボリュームがあるので、必要なのか迷いますよね。

便利さがわかりやすいのは、伴奏とソロの音量を変える、弾いた音をふわっと立ち上げる、歪みを薄くするという3つの使い方です。手を止めずに変化をつけられるので、音作りの一部を演奏中に足で操作できます。

ただし、何が変わるかは接続位置によっても違います。ここではギタリストの使用例を手がかりに、試す操作と聞くポイントを紹介します。まだペダルがなくても、音を立ち上げる効果はギターのつまみで体験できます。

1. 伴奏では少し絞り、ソロで音量を戻す

最も身近なのは、曲の中で音量を変える使い方です。歌の後ろでは少し控え、ギターが主役になるところで大きくする。ボリュームペダルなら、両手で弾き続けながら調整できます。

AB'Sのギタリストとして紹介されている芳野藤丸さんの機材解説では、伴奏とリードの切り替えだけでなく、曲の表情に応じて音量を細かく調整する様子が記されています。一定の音量で弾き続ける代わりに、演奏中のバランスを足で整える使い方です。1

基本操作は、つま先側を踏み込むと大きく、かかと側へ戻すと小さくすること。音声用のボリュームペダルでは、ギターや前段のエフェクターからINPUTへ接続し、OUTPUTから後段の機器へ送ります。2

試すときは、まずつま先側へ踏み切った状態で、必要な最大音量をアンプなどで決めます。その後、少し戻して伴奏用の音量にしてみましょう。最大・最小の音量を先に決める方法は、BOSS FV-500Lの説明書でも案内されています。2

同じ短いフレーズを弾きながら、伴奏用の位置と踏み切った位置を行き来します。バンドなら、歌の後ろで控えられ、ソロでは必要なだけ聞こえるかが目安です。ソロの音量を先に決め、伴奏ではそこから絞ると、踏み切ったのに足りない状態を避けやすくなります。

大きくしたときに歪みまで増えてしまうなら、ペダルより後ろの機器が歪んでいる可能性があります。例えば歪みペダルで音を作る場合は、次の配置から試せます。34

ギター → 歪みペダル → ボリュームペダル → クリーン設定のアンプ

先に作った歪み音の音量を調整する配置です。アンプ側も歪ませている場合は、そこへ入る信号量も変わるので、アンプの歪み方にも影響します。音量だけを変えたいのか、歪みも変えたいのかを分けて聞いてみてください。4

2. 弾いたあとに踏み込み、音をふわっと立ち上げる

ピックが弦に当たる瞬間の音を目立たせず、あとから音量を上げると、音が滑らかに現れます。バイオリン奏法、あるいはスウェルと呼ばれる使い方です。

ギター・マガジンの解説では、ジャズ・ギタリストのベン・モンダーによる「Day After Day」が、ボリュームペダルを多用したスウェルの例として取り上げられています。前段のコンプレッサーで音の持続を確保する工夫も解説されていますが、まずは手持ちの音で立ち上がりを変えてみましょう。5

最初は単音か、押さえやすいコードを一つ選びます。操作は次の順番です。6

  1. ペダルをかかと側へ戻し、音が出ないことを確認する。
  2. 弦を弾き、音を伸ばす。
  3. 弾いた直後から、つま先側へゆっくり踏み込む。
  4. 次の音を弾く前に、かかと側へ戻す。

MINIMUM VOLUMEなどで最小音量を設定できる機種では、無音から立ち上げる練習の前に、その設定を0にします。最小音量を残したままでは、弾き始めの音も聞こえます。2

聞くポイントは、最初の「カツッ」という音が隠れ、その後の響きが滑らかに現れるかです。ピッキング音が聞こえるなら、弾く前に十分絞れているか、踏み始めが早すぎないかを確認します。逆に、踏み込んでもほとんど音が残っていなければ、踏み始めを早めたり、音量を上げるまでの時間を短くしたりして比べましょう。

足の動きだけで音の持続が長くなるわけではありません。まずは音が残っている間に立ち上げる感覚をつかみ、その後で、必要なら手持ちのコンプや歪みによる伸びも試す順番にします。

ペダルがまだなければ、ギターのボリュームつまみを絞って弾き、音を伸ばしたままつまみを上げても、立ち上がりを変える効果を試せます。BOSSの解説でも、この方法が紹介されています。6 弾きながら手元の操作も行う必要があるため、両手を演奏に使いたい場面で足の操作が役立ちます。

ギターのつまみは外部エフェクターより前にあります。後述する、歪みの後ろに置いたボリュームペダルとまったく同じ音になるとは限りません。まずは「音を出してから音量を上げると、弾き始めの印象が変わる」という感覚を確かめてみてください。

3. 歪みの前に置き、クリーン寄りの音へ変える

次は、音量とともに歪み方も変える使い方です。歪みを作る機器の前にボリュームペダルを置くと、その機器へ入る信号量を調整できます。7

04 Limited Sazabysのギタリスト、HIROKAZさんは、アンプを軽く歪んだクランチに設定し、ボリュームペダルを絞るとクリーン、上げるとクランチになる音作りを説明しています。強いリード音には、別途オーバードライブを使う構成です。8

歪みペダルで試すなら、接続は次のようになります。

ギター → ボリュームペダル → 歪みペダル → アンプ

アンプ自体の歪みを調整したい場合は、そのアンプへの入力より前で音量を絞ります。HIROKAZさんの例のように、踏み切った状態の音をクランチにしてから、同じコードを弾きながら少しずつ戻してみてください。84

聞くのは、音量の変化に加えて、歪みのザラつきやコードの濁りが減るかどうかです。好みのクリーン寄りの音と、踏み込んだときの歪んだ音を行き来できれば、スイッチで切り替えるのとは違う連続的な変化が使えます。

ただし、どの歪みペダルやアンプでも同じようにクリーンになるとは限りません。絞っても小さくなるだけなら、歪みを作っている機器より前につながっているかを確認します。そのうえで歪み量を少し控えて比べ、欲しい音にならなければ、機器側のチャンネル切り替えや別の音色設定を使う方法へ進みましょう。

ここが、音量調整との違いです。歪みを作る機器より前なら、その機器の歪み方も変えられる。後ろなら、そこで作った音のレベルを調整する。 両方を一度に試すより、変えたい対象を一つ決めると、接続位置を選びやすくなります。

4. ディレイやリバーブの余韻を残すか、切るか

ふわっと立ち上がる音にディレイやリバーブを組み合わせるときは、ボリュームペダルとの前後関係にも注目してください。ペダルを絞ったあと、余韻がどうなるかが変わります。74

接続の順番音量を絞ったときの変化
ボリュームペダル → ディレイ/リバーブ新しく送る演奏音を絞り、すでに作られた余韻は残せる。
ディレイ/リバーブ → ボリュームペダルそのエフェクターの余韻も含めて下げられる。

実際の機材紹介にも両方の例があります。TIN PAN ALLEYのギタリスト、鈴木茂さんのボードでは、ディレイのTIMELINE直前にボリュームペダルを配置し、絞ってもディレイ音を残しています。9

一方、サポート演奏や録音で活動するギタリスト、田中“TAK”拓也さんのボードでは、TIMELINEで作った残響もミュートするため、その後ろに配置されています。1011 残響を残すか切るかで、必要な位置が変わるわけです。

手持ちのディレイかリバーブがあれば、短いコードを一度鳴らし、余韻が続いている間にペダルを絞って比べてみましょう。つなぎ替えるときはアンプの音量を下げ、同じ設定で前後の違いを聞きます。音量を絞っても余韻を漂わせたいなら前、余韻も含めて抑えたいなら後が出発点になります。

後ろにつないだのに余韻が残る場合は、さらに後段に別のリバーブなどがないかを確認します。例えばアンプ内蔵リバーブまで、前段のボリュームペダルでまとめて切れるとは限りません。

曲間に音を止める用途もありますが、最小音量を残す設定では無音になりません。TUNER OUT付きの機種で無音チューニングをする場合も、説明書に沿って最小音量と接続先を確認してください。2

5. 選ぶときは、直前につなぐ機材と最小音量を確認する

やりたい使い方が決まったら、ペダルの直前に何をつなぐかを考えます。見た目が似ていても、ギターを直接つなぐモデルと、エフェクターなどの出力につなぐモデルがあります。

例えばBOSS FV-30シリーズには、ハイ・インピーダンス機器用のHと、ロー・インピーダンス機器用のLがあります。Hはギターの直接接続、Lは低い出力インピーダンスを持つエフェクターなどとの接続に向けたモデルです。1213

H/Lは接続元の条件、歪みの前後は変えたい音で選ぶと整理するとわかりやすくなります。「歪みの前だから必ずH」「エフェクターの後なら何でもL」と一律には決めず、直前の機器の仕様と、メーカーが案内する接続方法を確認しましょう。

ギターを直接つなぐなら:BOSS FV-30H

BOSS FV-30Hは、ハイ・インピーダンス機器用のモノラル・ボリュームペダルです。ギター直後で音量を操作したり、後段の歪みへの入力を調整したりする構成の候補になります。独立したTUNER OUTも備えています。1213

ステレオ信号を2系統まとめて扱うモデルではないので、ステレオのエフェクター後段に入れたい場合は、その条件に合う機種を選びます。

エフェクターの低インピーダンス出力につなぐなら:BOSS FV-30L

BOSS FV-30Lは、ロー・インピーダンス機器用で、ステレオの入出力を備えます。歪みの後ろで音量を調整するなど、直前の機器が低インピーダンスの信号を出す構成の候補です。13

パッシブ・ギターを直接つなぐ用途なら、まずはHのような対応モデルから検討します。また、エフェクターの後段でも、バイパス時にギターの信号をそのまま通す構成などでは、オン/オフで接続元の条件が変わりえます。迷ったら、前段機器の仕様も合わせて確認してください。

伴奏用の最小音量を残したいなら:BOSS FV-500L

BOSS FV-500Lは、ロー・インピーダンス用のステレオ機で、MINIMUM VOLUMEと踏み込みの重さを調整する機構を備えています。かかと側へ戻しても一定の音量を残したい場合や、踏み心地を調整したい場合の候補です。142

伴奏とリードで使うなら、踏み切った状態で最大音量を決め、戻した状態でMINIMUM VOLUMEを調整します。このつまみが決めるのは最小音量で、最大音量は変えません。無音から立ち上げるボリューム奏法へ切り替えるときは、0に戻して確認しましょう。2

幅110×奥行289×高さ72 mm、重さ1.6 kgなので、置く場所と持ち運びも判断材料です。14 ギターを直接つなぐ構成へ、そのまま同じ条件で選ぶ機種ではありません。

似た形のエクスプレッションペダルは、対応機器のパラメーターを操作するためのものです。接続先の設定によって音量を変えられる場合もありますが、通常のボリュームペダルと同じつもりでギターを通せるとは限りません。マルチなどに使うなら、対応する端子とペダルを説明書で確認します。15

手持ちの機材でやりたい操作ができるなら、まずはそれで試せます。まだ買うか迷っているなら、ギターのつまみで一音をふわっと立ち上げてみてください。その変化をコード演奏やフレーズの途中にも加えたくなったとき、足で操作できるボリュームペダルの使いどころが見えてきます。

出典・参考資料

  1. ギター・マガジン2020年10月号、「REC&LIVE GEAR」芳野藤丸、印刷p.158(PDF p.138)。 ↩

  2. BOSS、FV-500L 取扱説明書、操作方法・チューナー出力。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6

  3. BOSS、Is There a Perfect Pedal Order?。 ↩

  4. LEHLE、Where should I place my volume pedal?。 ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  5. ギター・マガジン2023年3月号、「ギターの表現を超越する奇才のエフェクター使い」Ben Monder「Day After Day」解説、p.87。 ↩

  6. BOSS、Pedal Partners:リバーブと他のエフェクターを組み合わせましょう。 ↩ ↩2

  7. BOSS、ギター用エフェクトの接続順ガイド。 ↩ ↩2

  8. ギター・マガジン2020年4月号、「ボリューム・ペダル頼りボード。」HIROKAZ、p.69。 ↩ ↩2

  9. ギター・マガジン2024年6月号、「鈴木茂のペダルボード」、p.72。 ↩

  10. ギター・マガジン2020年5月号、「ボード接続順」、印刷p.205(PDF p.193)。 ↩

  11. ギター・マガジン2020年5月号、田中“TAK”拓也の取材、印刷p.204(PDF p.192)。 ↩

  12. BOSS、FV-30H/FV-30L 製品情報。 ↩ ↩2

  13. BOSS、FV-30H/FV-30L 英語製品情報。 ↩ ↩2 ↩3

  14. BOSS、FV-500H/FV-500L 製品情報。 ↩ ↩2

  15. Ernie Ball、FAQ、ボリュームペダルとエクスプレッションペダルの互換性について。 ↩

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