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エレキギターの音が細いときの対処法。弾き方・音作り・調整を見直そう

エレキギターの音が細い、バンドで埋もれる、リアや高音弦だけ弱いときの対処法。右手・手元操作・アンプEQ・ピックアップ調整・ペダル・録音入力を症状別に解説します。

この記事の内容

高音がジャリジャリして、単音に厚みがない。一人で弾くと悪くないのに、バンドではギターの存在感がなくなる。エレキギターの音が細いと感じたら、まずはどの場面で、どの音が物足りないのかを分けてみましょう。

右手の位置やギターのトーンを変える方法と、合奏で中域を調整する方法では、試す目的が違います。リアだけ、あるいは高音弦だけが弱いなら、ピックアップ間・弦間のバランスも確認したいところです。手持ちの機材で比較する方法から、EQやオーバードライブを足す場合、録音時の入力設定まで順に見ていきます。

まずは「細くなる場面」を選ぶ

気になる場面最初に試すことこの記事の該当箇所
一人で弾いても高域ばかりが目立つ右手の位置、ギターのトーンとボリュームを変える1・2
バンドに入ると聴き取りづらいアンプの中域と低域を、合奏中に調整する3
フロントはいいがリアが細いPU間の音色・音量差と高さを確認する4
低音弦は鳴るが、高音弦のソロが弱い各弦の音量差と調整状態を確認する5
音の輪郭や単音の伸びをもう少し変えたいEQとオーバードライブを目的で選ぶ6
アンプでは平気なのに直接録音すると頼りない楽器用入力とInst/Hi-Z設定を確認する7

比較するときは、普段弾く短いフレーズを一つ決め、つまみや弾き方を一つずつ変えます。コードと高音弦の単音を含めると、自分が気にしている差を追いやすくなります。スマートフォンなどで録音する場合も、機材や録音位置をそろえましょう。音量差だけで判断しないよう、音色を比べる場面では聴く音量もできる範囲で近づけます。

1. 右手をネック寄りへ動かし、力加減も比べる

いつもブリッジ付近に右手を固定しているなら、まずはピッキングする位置をネック側へ移してみてください。ギタリストで講師のトモ藤田さんは、ストラトキャスターで太くウォームな音を出す方法として、フロント・ピックアップの上あたりで弾くことを紹介しています。1

ピックアップの選択とアンプの設定を変えず、同じ単音やコードを、普段の位置とネック寄りで弾き比べます。アタックの硬さが和らぎ、欲しかった丸みが得られるかが判断の目安です。違いがつかめたら、曲に合う位置を探してみましょう。

次に、右手の位置を決めたまま、少し力を抜いて弾きます。Czecho No Republicのギタリストとして2020年に取材を受けた砂川一黄さんは、やさしくアタックすることでレンジの広い音を得た経験を語っています。同じ取材では、強く弾くとクランチになるアンプ設定も紹介されています。2 こうした反応をする設定で音が詰まるように感じるなら、力を足す以外の方向も比べてみましょう。

ただし、抜けが悪い場面では、逆にブリッジ寄りの明るい音が役立つとも藤田さんは説明しています。1 ネック寄りが常に正解ということではありません。丸みは出たものの合奏では聴こえにくいなら、右手だけで解決しようとせず、次の手元操作やアンプEQを組み合わせます。

2. トーンとボリュームを少しずつ絞る

ギターのつまみをいつも最大にしているなら、トーンを少しずつ絞ってみましょう。ギタリストのKubotyさんも、アンプで高域の硬さを取り切れない場合に、ギターのトーンを少し絞る方法を挙げています。3

まずボリュームはそのままでトーンだけを動かし、普段のフレーズを弾きます。高域の当たり方が落ち着き、単音やコードに欲しい厚みを感じられるところを探してください。こもってフレーズが聴き取りづらくなるなら戻します。トーンの操作は、低音を増やすこととは別の比較です。

次はトーンを元に戻し、ボリュームだけを少し絞ります。藤田さんは、ボリュームをわずかに絞って丸い音色を作る方法と、高域を保つトレブルブリード回路を搭載したモデルでは効き方が異なることを説明しています。14

変化が小さい場合は、そのピックアップにどのトーンが効くか、ボリュームにどんな回路が入っているかを説明書で確認しましょう。同じ目盛りでもギターによって結果は違います。扱いやすい音が見つかったら、実際に使う歪みの量でも確かめ、まだ物足りなければアンプ側へ進みます。

3. バンドで埋もれるなら、中域と低域を合奏中に見直す

一人では十分太いのに、バンドになると聴こえない。この場合は、低音を増やす操作と、フレーズを聴き取りやすくする操作を分けて考えましょう。BOSSもEQの活用例として、合奏での中域の調整や、ハイゲイン時に低域を整理する方法を紹介しています。5

アンプのMIDDLEを大きく下げているなら、普段の合奏フレーズを繰り返しながら少しずつ戻します。次に必要に応じてBASSを下げ、低音の塊が減ったときにギターの輪郭が追いやすくなるか比べます。音量を上げる操作は後に分け、まずは一つのEQだけを変えてください。

判断したいのは、単独で弾いたときの迫力に加え、歌やベース、もう一人のギターが鳴っている中で、自分のコードや単音が聴き取れるかです。Kubotyさんの中域についての助言も、マーシャルでパンクやメタルの音を作る文脈にあります。63 別のアンプへ同じつまみ位置をコピーするのではなく、耳で変化を確かめましょう。

中域を戻すと硬く感じるなら、上げ幅を減らし、トレブルやギターのトーンも別々に調整します。改善しなければ、ほかの楽器との音域の重なりや全体の音量バランスを確認してください。アンプのEQだけでは必要な帯域を狙いにくい場合は、6で紹介するEQペダルも候補になります。

4. リアだけ細いなら、フロントとのバランスを確認する

ストラトのフロントは好きなのに、リアにすると急に頼りない。藤田さんは、フロントが過度にウォームな設定になっていて、比較するとリアを細く感じる場合を挙げています。フロントを低めにしたうえで、ほかのピックアップとのバランスを取る方法です。4

最初は調整せず、同じフレーズを各ポジションで弾き、音量と音色の差を確認します。リアだけが不満なのか、フロントとの落差が大きいのかを整理してから、高さを見直しましょう。

高さを詰める前に、ネックや弦高の調整状態も確認します。7 そのうえで今の高さを写真や寸法で記録し、メーカーの基準と機種別の手順を確認しましょう。測る際は最終フレットを押さえ、弦の下面とポールピースの上面との距離を確認する方法があります。取り付け構造によって調整方法は異なるため、ねじを回す方向や高さの数値は一律に決めません。8

ここで気を付けたいのは、リアが細いからと、すべてのPUを高くすればよいわけではないことです。低すぎると出力や低域成分が減る場合がある一方、近づけすぎると磁力が弦の振動に影響し、持続や音程感を損なう場合もあります。8

少し変更しては元の設定と比べ、切り替えてもフレーズを扱いやすくなるか確認します。改善しない、または調整方法を判断できない場合は、ネックや弦高を含めてリペア店へ相談しましょう。

5. 高音弦のソロだけ弱いなら、弦ごとの音量差を見る

低音弦のリフは十分なのに、1・2弦へ移ると音が頼りなくなるなら、まずクリーンで各弦を同程度のタッチで鳴らしてみてください。低音弦だけが大きいのか、特定の弦だけ弱いのかを確認します。

ギター・マガジンのレス・ポール調整記事では、PU全体の高さと、各弦に対応するポールピースの高さを分けて調整し、弦間の音量を整える方法が紹介されています。7 全体の出力が足りない場合と、特定の弦だけ弱い場合とでは、見直す部分が違うということです。

ただし、この記事で紹介された操作は、ねじ式のポールピースを備えるPUの文脈です。固定された磁極を同じように回したり押し込んだりする手順ではありません。自分のPUで調整できる部分を説明書やリペア店で確認してください。

調整後は、各弦を個別に鳴らす確認に加え、いつものリフからソロへ続けて弾きます。切り替わりの音量差が扱いやすくなるかが目安です。特定のフレットだけ音が詰まるなど別の症状もあれば、その場所も記録して調整を依頼しましょう。

6. ペダルを足すなら、帯域の補正と歪み・伸びを分けて選ぶ

中域などを狙って調整したいなら:BOSS GE-7

アンプの大まかなEQでは狙いにくい帯域を調整したいなら、グラフィックEQが候補です。BOSS GE-7は100Hz〜6.4kHzの7バンドと独立したLEVELを備え、帯域の補正と出力調整に使えます。9

比較の出発点として各スライダーを0dBにそろえ、中域のスライダーを1本ずつ少し上げてみましょう。オン/オフの音量を近づけ、合奏中の聴き取りやすさが改善するかを確認します。手持ちのマルチやアンプ内蔵EQで同じ目的を満たせるなら、まずはそちらで試せます。

EQを置く位置も結果に関わります。歪みの前に置くと、強調した帯域が後段の歪み方にも影響します。歪みペダルの後ろでは、その出力の帯域バランスを整える使い方ができますが、さらに後段のアンプが歪む場合は、その反応も含めた比較が必要です。5

GE-7は、歪みを足すより先に音のバランスを変えたい人に向く候補です。一方、配線やセットアップの不具合そのものを直す機材ではありません。

軽い歪みや単音の伸びも欲しいなら:BOSS BD-2

BD-2はGAIN・TONE・LEVELを備えるオーバードライブです。メーカーも、GAINを低くし、LEVELを調整してブースターとして使う方法を紹介しています。10 NUMBER GIRLでギターを担当した田渕ひさ子さんは、2020年の誌面で、クリーンにしたアンプにBD-2を常時使い、クランチを作る方法を説明しています。6

まずGAINを低め、TONEを中央付近にして、LEVELでオン/オフの音量を近づけてみましょう。そこからGAINを少しずつ上げ、単音の持続とコードの分離が両立するところを探します。高域が硬ければTONEを調整します。

アンプを押して鳴らしたい場合は、低GAINからLEVELを上げる方法もあります。ただし、すでに歪んだアンプでは、出力を上げても音量だけが増えるとは限りません。濁って感じる場合はGAINを下げ、アンプ側の歪み量も別に見直してください。1110

軽い歪みや圧縮感も含めて音を変えたいならBD-2、特定の帯域を狙って調整したいならGE-7、という違いが選ぶ目安です。どちらも、今のギターやアンプとの組み合わせで欲しい変化が得られるかを確かめます。

7. 直接録音で頼りないなら、楽器用入力を確認する

アンプでは問題がないのに、オーディオ・インターフェースへ直接挿すと弱い、こもるなどの違和感がある。この場合はEQを足す前に、接続先を確認しましょう。ギターを直接つなぐ際は、機器の説明書で楽器対応の入力を選び、Inst/Instrument/Hi-Zの設定を確認します。12

例えばFocusrite Scarlett Solo 4th Genは、Instの切り替えで入力インピーダンスと入力レベルが変わり、無効のままギターを接続すると、有効時より小さく濁って聴こえる場合があると説明されています。13 入力の問題が、必ず低音の減少として表れるわけではありません。

設定を変えたら、大きく弾くフレーズで入力メーターを確認し、クリップしないようゲインを調整して録音し直します。一方、マルチやアンプシミュレーターのライン出力をつなぐ場合は、その出力仕様に従ってライン入力を使います。ギターに関係する接続をすべてHi-Zにする、という意味ではありません。12

入力を正しても改善しなければ、接続経路と使っているソフトの設定を確認します。ギター直結なのか、間に機材があるのかを整理してから機器のサポートへ相談すると、確認箇所を絞れます。

改善しないときは、変わる条件を記録して相談する

ここまで試しても物足りないときは、「どのPU・弦・フレットで」「どの機材へ、何を経由して」「どんな設定で」変化するかをメモしましょう。全体の音色の好みなのか、特定の条件で急に変わる症状なのかを伝えやすくなります。

PU交換や配線変更のあと、単独では問題がなく、複数のPUを同時に使ったときだけ急に薄く空洞感のある音になるなら、位相や配線も確認候補です。14 正常なミックス・ポジションの音色や、意図した配線まで不具合と決めつけず、変更内容と症状をリペア店へ伝えてください。

まずは表で自分に近い場面を選び、一つの操作を比較するところから始めてみましょう。望む変化が「高域を落ち着かせたい」のか「合奏で輪郭を出したい」のか「単音を伸ばしたい」のかがわかると、次に調整する部分や選ぶ機材も決めやすくなります。

出典・参考資料

  1. 『ギター・マガジン』2024年9月号「トモ藤田のギターは一日にして鳴らず!」第27回「ストラトキャスターの音色コントロール」、誌面142ページ。 ↩ ↩2 ↩3

  2. 『ギター・マガジン』2020年8月号「Czecho No Republic/砂川一黄」インタビュー、誌面182ページ(PDF172ページ)。 ↩

  3. 『ギター・マガジン』2020年6月号「ライブハウス常設アンプ使いこなし術」、Kubotyの前ページからの続き、誌面125ページ。 ↩ ↩2

  4. 『ギター・マガジン』2024年9月号「トモ藤田のギターは一日にして鳴らず!」第27回「ストラトキャスターの音色コントロール」、誌面143ページ。 ↩ ↩2

  5. BOSS, Five Creative Ways to Use an EQ Pedal for Guitar、中域・低域の調整、歪みの前後でのEQの使い方。2026年10月19日確認。 ↩ ↩2

  6. 『ギター・マガジン』2020年6月号「ライブハウス常設アンプ使いこなし術」、田渕ひさ子・Kuboty、誌面124ページ。 ↩ ↩2

  7. 『ギター・マガジン』2022年10月号「LES PAUL MAINTENANCE GUIDE」、「ピックアップの高さを調整しよう」「ポールピースの高さを調整しよう」、誌面94ページ。 ↩ ↩2

  8. Seymour Duncan, Adjusting Pickup Height、PU高の測り方と、高すぎる・低すぎる場合の影響。2026年10月19日確認。 ↩ ↩2

  9. BOSS, GE-7 Equalizer、7バンドEQと独立したLEVEL。2026年10月19日確認。 ↩

  10. BOSS, BD-2 Blues Driver、GAIN・TONE・LEVELとブースター用途。2026年10月19日確認。 ↩ ↩2

  11. BOSS, Getting the Most Out of Your Overdrive Pedal、GainとLevel、ブーストとアンプの歪み。2026年10月19日確認。 ↩

  12. Focusrite, I'm getting little or no signal from my guitar/instrument level equipment、楽器入力・Inst/Hi-Z・ライン出力機器の接続。2026年10月19日確認。 ↩ ↩2

  13. Focusrite, Scarlett Solo Hardware Features、Scarlett Solo 4th GenのInst機能。2026年10月19日確認。 ↩

  14. Seymour Duncan, Pickup Polarity and Phase Made Simple、複数PUの位相と音色。2026年10月19日確認。 ↩

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